加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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「忘れられる権利」認める決定 さいたま地裁

インターネット検索サイト「グーグル」の検索結果から,自身の逮捕に関する記事の削除を男性が求めた仮処分申し立てで,さいたま地裁(小林久起裁判長)が「過去の犯罪を社会から『忘れられる権利』がある」と判断し,削除を認める決定を出していたことが,2月27日,報道により明らかにされました。今回の決定は,昨年12月22日付で,男性は児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で罰金50万円の略式命令が確定しており,名前と住所で検索すると3年以上前の逮捕時の記事が表示されていたとのことです。報道によれば,男性からの削除を求める仮処分申し立てに対し,さいたま地裁が昨年6月,「更生を妨げられない利益を侵害している」として削除を命令し,グーグル側がこの命令につき,同地裁に異議を申し立てていたとのことです。したがって,12月22日付の決定は,グーグル側の異議を退ける主旨の決定だと思われます。

これまで,検索結果からの削除を認める裁判所の判断は,複数出されていましたが,「忘れられる権利」を明言したのは今回の決定が初めてだと思われます。現在も議論が活発なところでもありますので,今後も裁判所の判断の蓄積を待つ必要があるでしょう。

なお,今回の決定に対して,グーグル側は再び不服を申し立てたため,現在は東京高裁で審理中だとのことです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG27H3H_X20C16A2CR8000/

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