加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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著作権法改正案を閣議決定へ

 政府は、平成30年2月23日、著作権法改正案を閣議決定しました。報道によれば、かかる法案は、今通常国会での成立が予定されており、施行は一部を除き平成31年1月の予定であるとのことです。

 今回の改正案の柱は以下のとおりです。

①デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定の整備
 例えば、現在著作権法上許諾が必要な可能性のある以下の行為が、無許諾で利用可能になります。
・所在検索サービス(書籍情報の検索等)
・情報解析サービス(ソフトウェア開発のための既存ソフトウェアの解析等)

②教育の情報化に対応した権利制限規定等の整備
 現行法では、学校教育において写真や小説、新聞記事などの著作物を印刷して配る場合は著作権者の許諾は不要ですが、オンデマンド授業などで教材をネット配信する場合は必要となります。
 これに対し、本著作権法改正案では、学校等の授業や予習・復習用に、教師が他人の著作物を用いて作成した教材を、ネットワークを通じて生徒の端末に送信する行為等について、許諾なく行えるようになります。

③障害者の情報アクセス機会の充実に係る権利制限規定の整備
 現行法では、37条において、視覚障害者を対象に、視覚著作物に係る文字を音声にすること等が認められています。
 これに対し、本著作権法改正案では、肢体不自由等を含め、障害によって書籍を読むことが困難な者を広く対象にし、録音図書の作成等を許諾なく行えるようになります。

④アーカイブの利活用促進に関する権利制限規定の整備等
 現行法では、美術館等の展示作品の解説、紹介用資料につき小冊子への掲載は、権利者による許諾が不要ですが、デジタル媒体での利用は許諾が必要となっています。
 これに対し、本著作権法改正案では、展示作品の解説・紹介用資料をデジタル方式で作成し、タブレット端末等で閲覧可能にすること等を許諾なく行えるようになります。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/detail/__icsFiles/afieldfile/2018/02/23/1401718_001.pdf

https://mainichi.jp/articles/20180224/ddm/012/010/037000c

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