加藤&パートナーズ法律事務所

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著書・論文

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有価証券報告書等虚偽記載の法律実務 / 粉飾決算・会計不正による損害賠償責任

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著者:加藤真朗 (編著)
   太井徹、吉田真也、佐野千誉 (共著)
出版社:日本加除出版

近時,社会的にも重大な関心事である企業の会計不正に関し,有価証券報告書等に虚偽記載がなされた場合の責任を中心に,実務上問題となる論点を幅広く取り上げ,解説した書籍。

第1章においては,金融商品取引法の開示制度に関わる基礎知識について平易に説明するとともに,第2章においては,投資者訴訟において重要な金融商品取引法21条の2の責任を中心に,平成26年金融商品取引法改正による影響も含めて実務上問題となる論点を幅広く取り上げ,各論点に関して詳しく解説している。

本書は法律実務書ではあるものの,最高裁判例,下級審裁判例だけではなく,当該分野に関する多くの論文も取り上げており,裁判例のない論点については,一部,著者の見解を提示している。
特に,平成26年金融商品取引法改正において,同法21条の2の責任が無過失責任から立証責任の転換された過失責任へと変更されたことが,裁判実務に与える影響についても取り上げている。

また,会社・役員・監査法人等の民事上の損害賠償責任だけではなく,刑事処分,行政処分,東京証券取引所の規則など周辺論点についても解説しており,Q&A形式のため適宜必要な部分のみをチェックすることもできる構成となっている。

さらに,本書の叙述は,弁護士のみならず,上場企業役員,法務担当者,IR担当者,監査に関わる公認会計士,虚偽記載等により損害を被った投資家,研究者など幅広い読者を想定し,株主・元株主側,会社・役員側のいずれのスタンスにも偏りがないよう配慮されている。

今後も有価証券報告書の虚偽記載に関わる訴訟が多数提起されることが予測される昨今において,弁護士,投資家はもちろん,有価証券報告書等の開示に関わる上場企業役員,法務担当者,IR担当者,監査に関わる公認会計士にとっても必読の書。


目次

第1章 有価証券報告書等の開示制度の基礎知識
第1 金融商品取引法上の開示制度
第2 有価証券報告書の概要
第3 有価証券報告書における企業グループの位置付け
第4 有価証券報告書の具体的記載事項
第5 公認会計士・監査法人による監査
第6 内部統制制度
第7 有価証券報告書等の訂正
第8 有価証券報告書等の虚偽記載等の責任
第9 適時開示

第2章 有価証券報告書等の虚偽記載等と損害賠償責任
第1 粉飾が明らかになった場合の責任追及
第2 金商法21 条の2 に基づく会社の損害賠償責任
1 金商法21 条の2 の要件
(1)金商法21 条の2 の要件
(2)「重要な」虚偽記載等とは
(3)募集又は売出しの意義
(4)有価証券報告書等の虚偽記載に係る会社の過失
(5)虚偽記載等による損害とは
2 損害額の推定規定
(1)損害額の推定規定
(2)虚偽記載等の事実の公表①―公表の対象
(3)虚偽記載等の事実の公表②―公表の主体・公表の方法
(4)虚偽記載等以外の事情により生じた損害
(5)取得と処分が複数回にわたって行われた場合の請求可能額の算定方法
3 金商法21 条の2 の性格
(1)弁護士費用も請求できるか
(2)遅延損害金の発生時期
(3)過失相殺や損益相殺は認められるか
(4)損害賠償請求権の消滅
(5)虚偽記載開始前に株式を取得した投資家による損害賠償請求
4 金商法21 条の2 に基づく損害賠償請求についての訴状、答弁書
第3 金商法24 条の4 に基づく会社関係者の損害賠償責任
1 金商法24 条の4 の要件
2 損害賠償義務を負う者
3 相当な注意とは
第4 有価証券報告書以外に虚偽記載を行った場合の損害賠償責任
1 有価証券届出書の虚偽記載と会社の責任
2 有価証券届出書の虚偽記載と責任を負う者の範囲  
3  虚偽の適示開示を行った者の責任
第5 訴訟提起に関する諸問題
1 虚偽記載に関する情報の入手方法
2 弁護士費用
3 管轄と共同訴訟の提起
4 訴訟への途中参加
第6 会社に関わる諸問題
1 刑事罰と課徴金
2 課徴金と外部協力者の加担行為
3 証券取引所による処分
4 不祥事の公表

【資 料】
資料1 西武鉄道事件
資料2 ライブドア事件
資料3 アーバンコーポレイション事件

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