加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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辞任・解任等退任した取締役が秘密情報を漏洩した場合

【目次】

1 秘密保持義務

2 不正競争防止法による保護

1 秘密保持義務

取締役は、その職務を通じて知り得た会社の内部情報について、外部に開示しない義務(秘密保持義務)を負っています。この義務に違反して情報を漏えいした場合には、取締役は善管注意義務・忠実義務に違反したものとされ損害賠償責任に問われる可能性があります。
また、秘密保持については、取締役の任用契約において、在任中だけでなく退任後の一定期間についても義務を負う旨が定められていることがあります。このような合意の有無によって、取扱いは次のように整理されます。

(1)合意がある場合

秘密保持に関する合意がある場合には、その内容が、対象となる情報の性質や範囲、取締役の立場などを踏まえ、社会通念上相当といえる範囲にとどまる限り、有効と考えられます。そして、その合意に反して情報が漏えいされたときは、契約違反として差止請求や損害賠償請求が認められる可能性があります。

(2)合意がない場合

一方で、明示的な合意がない場合であっても、信義則に基づき、在任中に限らず退任後についても一定の範囲で秘密保持義務が続くと考えられることがあります。
例えば、競業避止義務に関する特約がない事案であっても、退任後に在職中に知り得た営業秘密をむやみに開示することは許されないとした裁判例(大阪高判平成6年12月26日・判時1553号133頁)があります。また、東京地裁平成11年2月15日判決も、委任契約の趣旨に照らし、在任中に取得した内部情報については、退任後も秘密保持義務が及ぶと判断しています。

2 不正競争防止法による保護

不正競争防止法は、会社の有する情報のうち「営業秘密」に該当するものについて、不正な利益を得る目的または保有者に損害を与える目的で使用・開示する行為を不正競争として規制しています。たとえば、営業秘密の保有者から示された情報を、図利加害目的で利用したり開示したりする行為は、不正競争の一類型として規制されています(不正競争防止法2条1項7号)。

(1)営業秘密の意義(同法2条6項)

ここでいう「営業秘密」とは、次の要件を満たす技術上または営業上の情報をいいます。

①秘密管理性:保有者の秘密として管理する意思が、合理的な管理措置により従業員等に明確に示され、認識可能な状態にあること

②有用性:事業活動に利用され、または利用されることでコスト削減や業務効率化等に資する客観的価値を有すること

③非公知性:刊行物等から一般に入手可能でないなど、保有者の管理外では通常入手できないこと

(2)民事上の対抗措置

 不正競争に当たる場合には、営業秘密の保有者は、不正競争防止法に基づき、差止請求(同法3条1項)、損害賠償請求(同法4条)、信用回復措置の請求(同法14条)などを行うことができます。また、不正競争防止法では損害額の推定規定(同法5条2項)が設けられており、被害者の損害額立証負担が一定程度軽減されています。

(3)刑事責任

さらに、不正競争防止法は、一定の不正競争行為について刑事罰も定めています。該当する場合には、10年以下の懲役若しくは2000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります(同法21条1項)。そのため、事案によっては、刑事告訴を行うことも検討されます。

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加藤&パートナーズ法律事務所(大阪市北区西天満)では、関西を中心に会社法関係訴訟・非訟・仮処分、コーポレートガバナンスに関するご相談・ご依頼をお受けしております。

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