加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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IBMへの課税処分取消し確定 最高裁、国側の上告不受理決定

東京国税局から約3995億円の申告漏れを指摘された日本IBMの持ち株会社が課税処分の取消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(山浦善樹裁判長)は18日付で、国側の上告を受理しない決定をしました。これにより、約1200億円の課税を取り消した一審及び控訴審判決が確定しました。

今回の件で問題とされたのは、日本IBMの持ち株会社「アイ・ビー・エム・エイ・ピー・ホールディングス」(東京)は米IBMから購入した日本IBM株の一部を02~05年に日本IBMに売却し、計約3995億円の売却損を計上し、08年から導入した連結納税制度を使って日本IBMの黒字と相殺していました。国側は「税逃れ目的」と主張していましたが、東京地裁は、こうした手法を明確に禁じた当時の法規定がないとして「制度を乱用して税逃れを図ったとまでは言えない」と判断し、控訴審においても、東京高裁は「株の売買が税額圧縮のため一体的に行われたとは言えず、取引に経済的合理性がないとは言えない」と、一審の判断を支持し、国側が上告していました。

なお、2010年度の税制改正で、このような、グループ会社内における株式売買によって赤字を計上する取引は禁止されています。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG19H7L_Z10C16A2CR8000/

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