3 株主名簿閲覧謄写請求に対する対応
(1)株主名簿閲覧謄写請求権の概要
株主名簿は、会社に作成義務があり(会社法121条)、株主等の利害関係人の権利の確保・行使のために会社の本店等に備え置く書面または記録で、株主及び債権者(請求者)は、会社の営業時間内はいつでも、請求の理由を明らかにした上で、株主名簿の閲覧・謄写を請求することができます(会社法125条2項)。
また、親会社社員も、その権利行使のために必要な場合は、裁判所の許可を得て、同様の請求が可能です(会社法125条5項)。
株主名簿閲覧謄写請求に対して会社は、①請求者が権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき、②請求者が、会社の義務を妨げ、又は株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき、③請求者が株主名簿から知り得た事実を利益を得て第三者に通報するために請求を行ったとき、④請求者が過去2年以内に株主名簿閲覧謄写請求によって知り得た事実を利益を得て第三者に開示したことがあるものであるときの何れかに該当する場合には、請求者による閲覧謄写請求を拒むことができます(会社法125条3項)。
<続く>