加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」名義株3-名義株の帰属

【目次】

 1 名義株とは何か

 2 名義株解消の必要性

➡3 名義株の帰属

 4 名義株の存否に関する調査

 5 名義株か否かの調査

 6 解決策

Ⅰ 名義株の帰属に関する最高裁判所の考え方

名義株の帰属につき、最高裁判所は「他人の承諾を得てその名義を用い株式を引受けた場合においては、名義人すなわち名義貸与者ではなく、実質上の引受人すなわち名義借用者がその株主となるものと解するのが相当である。」と述べています(最判昭和42年11月17日民集21巻9号2448頁)。

このように、最高裁判所の考え方に照らすと、名義株の有無を調査する作業は実質上の引受人を探求する作業であるということができます。

Ⅱ 実質上の引受人とは

「実質上の引受人」がいかなる者であるのかについて、東京地判昭和57年3月30日判タ471号220頁等の各種裁判例では、①株式取得資金の拠出者、②関係当事者間の関係及びその間の合意の内容、③株式取得の目的、④取得後の利益配当金や新株等の帰属状況、⑤関係当事者と会社との関係、⑥名義借りの理由の合理性、⑦株主総会における議決権の行使状況などの考慮要素に照らして判断されています。

この中でも裁判例では①の要素が重視されていますが、実質的な引受人が誰であるかの分析は、実際に申込み・払込みをした者の意思又は関係当事者間の合意を探求する作業であり、経済的出捐をしていない名義上の株主が株主であるとされることもあり得る点には注意が必要です。

<続く>
「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」名義株4-名義株の存否に関する調査



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