加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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「会社内部紛争を防止するための非上場会社の株主管理・株主対策」名義株6-解決策

【目次】

 1 名義株とは何か

 2 名義株解消の必要性

 3 名義株の帰属

 4 名義株の存否に関する調査

 5 名義株か否かの調査

➡6 解決策

Ⅰ 確認書の作成

まず、名義株主から名義株であることを認める旨の確認書を取得することが可能であるか検討する必要があります。任意により確認書を作成させることができず、強制手段を採る場合には、株式の評価額をめぐって訴訟等に発展する等、時間や労力、コストがかかる可能性があります。強制手段については、次で解説します。

ここで、相続が発生している場合など、名義貸借の当事者ではない第三者に確認書を作成してもらう必要がある場合には、名義変更料として一定の金額を支払うことも考えられます。

Ⅱ 強制的な取得

任意で名義株の解消を行うことができない場合には、特別支配株主の株式等売渡請求権、株式併合・端数株式の買取制度、現金交付合併又は現金交付株式交換等の強制手段を採ることが考えられます。

これらの手続選択において注意するべきことは、一定の持株比率が必要である点、株価算定をめぐって大きく争われることがあり得る点です。

ほかにも、例えば名義株主と連絡が取れない場合などは、所在不明株主の株式売却制度(会社法197条)を利用できることがあります。この制度は、株式会社が株主に対してする通知又は催告が5年以上継続して到達しないこと、株主が継続して5年以上剰余金の配当を受領しなかったことが要件となります(但し、経営承継円滑化法の特例があります。)。

さらに、名義株主に相続が発生した場合には、相続人等に対する株式売渡請求(会社法174条)をすることも検討可能です。この手続きのためには、株主総会決議により、売渡請求をする株式の数、株式を有する者の氏名又は名称を定める必要がありますが(会社法175条1項)、かかる株主総会において売渡請求の対象となる株主は、議決権を行使することができません(会社法175条2項)。

したがって、名義株主が保有していた議決権割合が高い場合などにも、名義株主の相続人を会社から排除することができるので有用です。

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「株主管理・少数株主対策ハンドブック」(日本加除出版)



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