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【目次】 ➡1 取締役の指名権を定める株主間契約 ➡2 株主間契約の効力 ➡3 契約違反でも解任決議は当然には無効とならない 4 解任決議の成立を事前に防ぐ方法 5 解任決議が成立してしまった場合 |
1 取締役の指名権を定める株主間契約
合弁会社では、出資者がそれぞれ一定数の取締役を指名できることを株主間契約で定めることがあります。その実効性を確保するため、各株主が、相手方の指名した候補者の選任に賛成するとともに、その指名権に反する選任・解任には賛成しないことを約することも少なくありません。いわゆる議決権拘束契約です。
2 株主間契約の効力
問題となるのは、株主間で対立が生じ、一方の株主がこの約束に反して、他方が指名した取締役の解任に賛成した場合です。
株主間契約に法的拘束力が認められるかについては、契約当事者、契約内容、締結の目的、株式・議決権の保有割合、締結時期等を踏まえ、当事者が法的拘束力を生じさせる意思を有していたか、それとも単なる紳士協定にとどめる意思であったのかによって判断すべきものとされています(東京高判令和2年1月22日金判1592号8頁)。
たとえば、2社が共同で設立した合弁会社について、両社がその全株式を保有し、それぞれの取締役指名権とこれに従った議決権行使について具体的に取り決めている場合には、通常、法的な義務を定めたものと評価される可能性が高いでしょう。
3 契約違反でも解任決議は当然には無効とならない
もっとも、株主間契約に法的拘束力が認められることと、その契約に違反して成立した株主総会決議の効力とは、別の問題です。
議決権拘束契約は、原則として契約当事者間に債権的な効力を生じさせるものです。そのため、一方の株主が契約に反する議決権行使をした場合には債務不履行となり得ますが、それだけで株主総会決議が当然に無効となるわけではありません。
したがって、取締役の指名権を有する株主としては、解任決議が成立した後の対応だけでなく、株主総会前の段階で契約違反となる議決権行使を阻止できるかを検討することが重要になります。
<続く>
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