加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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辞任した取締役が会社や後任の取締役に対して業務の引継ぎをする必要はあるか

【目次】

 1 取締役は辞任するにあたって会社や後任者に対して業務の引継ぎをする必要はあるか

 2 辞任した取締役が業務の引継ぎを怠った場合にどのような責任追及ができるか 

1 取締役は辞任するにあたって会社や後任者に対して業務の引継ぎをする必要はあるか

 取締役は会社に対して善管注意義務・忠実義務を負うため(会社法330条、355条、民法644条)、会社の業務に支障を生じさせないよう必要な報告や引継ぎを行う義務を負います。裁判例も、「終任に当たり、会社の通常業務を継続するために必要であるとして一定の情報の報告や引継ぎを当該会社から求められたにもかかわらず、合理的な理由なくこれを拒否することは、善管注意義務・忠実義務に違反するというべきである」と判示するものがあります(東京地判令和4年3月28日)。

 また、民法上、受任者は処理経過や結果を報告する義務を負うため(民法645条)、会社としては取締役退任前であるか、退任後であるかを問わず、民法645条に基づき業務の状況について報告を求めることができます。

 さらに、取締役は職務上保有する物品等を引き渡す義務(民法646条1項)、職務に関連し取締役が自己の名で取得した権利があれば、それを会社に移転させる義務も負います(民法646条2項)。裁判例でも、会社の業務の一環として取締役が管理運営していたSNSアカウントについて、退任取締役に管理権限の移転義務を認めたものがあります(大阪高判平成31年3月27日)。

2 辞任した取締役が業務の引継ぎを怠った場合にどのような責任追及ができるか 

 取締役が必要な引継ぎを怠った場合、善管注意義務や忠実義務違反により任務懈怠責任(会社法423条)を負うと解されます。また民法645条や同法646条所定の義務を怠ったものとして会社に対する債務不履行責任(民法415条)を負う可能性もあります。

 よって、会社は当該取締役に対し、任務懈怠責任又は債務不履行責任を追及して損害賠償請求をすることができます。

▼更に詳しいことをお知りになりたい方は書籍「リーガル・フロンティア 取締役の辞任と解任」(商事法務)をご覧ください。

加藤&パートナーズ法律事務所(大阪市北区西天満)では、関西を中心に会社法関係訴訟・非訟・仮処分、コーポレートガバナンスに関するご相談・ご依頼をお受けしております。

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