加藤&パートナーズ法律事務所

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法律情報・コラム

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M&A(買い手側)の基礎知識①-M&Aと弁護士の役割

1 M&Aとは

 「M&A」とは、「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略で、2つ以上の企業が1つになること、企業が他企業を買い取ることをいいます。

 広義のM&Aとしては、企業グループ内の再編も含まれますが、一般的には企業グループを超えた買収の意味で使われます。また、支配権(経営権)の異動を伴わない資本提携・業務提携もM&Aといわれることがありますが、これらは多くの場合「提携」として別個に論じられます。

 M&Aは「時を買う」ものと言われます。買い手にとっては事業の立ち上げ及び成長に要する時間を大幅に削減して、事業を拡大することができます。また、優良な技術・ノウハウや取引先を比較的安価で取得できる可能性もあります。さらに、既存事業とのシナジー実現により大幅に企業価値を高めるチャンスでもあります。

 このように、M&Aは経営戦略の一環として極めて重要な選択肢といえます。

 当事務所においては、蓄積された確かな経験を生かして、M&Aの総合的な支援に大きく力を入れております。

2 M&Aにおける弁護士の役割

 M&Aにおいては、主に①手法の選択・策定、②法務デューデリジェンス、③契約の3つの場面において、弁護士が関与することが重要となります。

 その他にも、重要な局面における契約交渉や、M&A実行後におけるPMIサポートなど、M&Aにおいて、弁護士が関与することが好ましい場面は多く、弁護士の役割が上記の3つに限定されるものではありません。

手法(スキーム)の選択・策定

 M&Aの手法としては、多くの場合株式譲渡が選択されますが、事業譲渡や、会社分割合併株式交換等の組織再編の各手法を用いることもあります。これらの手法は、単独ではなく複合的に用いることもあります。

 そのため、手法の選択・策定のためには、具体的案件において法的なメリット・デメリットを適切に判断できる専門家である弁護士の関与が重要です。

法務デューデリジェンス

 また、買い手は、法務デューデリジェンスを実施し、買収対象会社(事業)の法的なリスクを把握して、買収の適否や買収条件を精査することが重要です。

 法務デューデリジェンスを実行するのは法的リスクを適切に洗い出すことができる弁護士の役割です。

契約

 さらに、秘密保持契約書基本合意書最終契約書等の各契約締結段階において、リスクへの対処がなされているか、不利な条項はないか、交渉やデューデリジェンスの結果が適切に契約条項に織り込まれているか等を、法的な観点から適切に判断、助言することも弁護士の役割です。

3 専門家との連携

 M&Aは、法務、税務、会計等を中心に、各分野の専門的知識が総合的に要求されます。そのため、弁護士はもちろん、それ以外のフィナンシャル・アドバイザー(FA)、公認会計士、税理士、司法書士等の専門家とも適切に連携する必要があります。

 また、M&A専門の仲介業者が関与している案件であっても、仲介業者は売り手、買い手双方との間で仲介(アドバイザリー)契約を締結しており、いずれかの当事者(当事会社)の代理人ではないため、各当事者の立場から専門的なバックアップを行う各専門家の関与の重要性は異なりません。

 当事務所では、公認会計士、税理士、司法書士等の各専門家と密に連携し、M&Aの総合的支援を行っております。

4 一般的な手続きの流れ

 以上は一般的なM&Aの手続の基本的な流れですが、場合によっては一部が省略されることもあります。手続の具体的な内容は、「弁護士が主に関わる手続の概要」で説明しています。

<続く>

M&A(買い手側)の基礎知識②-弁護士の必要性・有用性

M&A(買い手側)の基礎知識③-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅰ

M&A(買い手側)の基礎知識④-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅱ

M&A(買い手側)の基礎知識⑤-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅲ

M&A(買い手側)の基礎知識⑥-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅳ

M&A(買い手側)の基礎知識⑦-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅴ

M&A(買い手側)の基礎知識⑧-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅵ

M&A(買い手側)の基礎知識⑨-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅶ

M&A(買い手側)の基礎知識⑩-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅷ

M&A(買い手側)の基礎知識⑪-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅸ

M&A(買い手側)の基礎知識⑫-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅹ

M&A(買い手側)の基礎知識⑬-弁護士が関わるM&A手続の概要Ⅺ

M&A(売り手側)の基礎知識①-M&Aとは

M&A(売り手側)の基礎知識②-弁護士の必要性

M&A(売り手側)の基礎知識③-弁護士が関わる手続Ⅰ

M&A(売り手側)の基礎知識④-弁護士が関わる手続Ⅱ

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