加藤&パートナーズ法律事務所

加藤&パートナーズ法律事務所

法律情報・コラム

法律情報・コラム

コーポレート・ガバナンス入門9 ―関西スーパー争奪戦④ 大阪高裁で逆転!―

 12月7日、大阪高裁は、神戸地裁の判断を覆し、関西スーパーとH2Oの株式交換差止め決定を取消しました。

 高裁で負けたオーケーが最高裁に不服を申し立てる手段としては、特別抗告(民訴法336条)と許可抗告(民訴法337条)が考えられます。特別抗告は憲法違反の場合ですから、現実的ではありません。そこで許可抗告が問題となります。 

許可抗告は、高裁の決定に「最高裁判所の判例と相反する判断がある場合その他法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる」と高裁が判断した場合に限って、最高裁への抗告が許可される制度です。高裁のハードルを超えなければ、最高裁に不服を申し立てることができないのです。

 差止めがらみの著名事件では、敵対的買収防衛策の差止めについてのブルドックソース事件、経営統合交渉差止めについての住友信託銀行対UFJホールディングス事件が、高裁が抗告を許可したことにより最高裁が判断しています。

 関西スーパー対オーケーについては、高裁決定を見ていない段階で言うのもおかしな話ですが、高裁が抗告を許可する可能性もあると思います。

もちろん、高裁のハードルを越えることができたとしても、最高裁で結局ダメだったということもあり得ます。

 勝ち負けにかかるクライアント利益の大きさ、タイトなスケジュール、社会的注目の大きさ。"関西スーパー争奪戦"を見るに、同業として、両当事者の弁護士はシビれる日々を送っていると想像しています。

加藤真朗

コーポレート・ガバナンス入門1 -自民党総裁選とコーポレート・ガバナンス-

コーポレート・ガバナンス入門2 -アベノミクスとコーポレート・ガバナンス改革-

コーポレート・ガバナンス入門3 -ノーベル物理学賞と2021コーポレートガバナンス・コード改訂-

コーポレート・ガバナンス入門4 -金融所得課税強化と上場会社の株主構成の推移-

コーポレート・ガバナンス入門5 -機関投資家の影響力拡大とスチュワードシップ・コード-

コーポレート・ガバナンス入門6 -関西スーパー争奪戦① M&Aの手法-

コーポレート・ガバナンス入門7 -関西スーパー争奪戦② バトル!第2ラウンドの始まり-

コーポレート・ガバナンス入門8 -関西スーパー争奪戦③ 舞台は大阪高裁へ-

コーポレート・ガバナンス入門10 ―関西スーパー争奪戦⑤ 勝者はどっちだ?―

コーポレート・ガバナンス入門11 -守りのガバナンス 公益通報者保護法改正で充実が期待される内部通報制度―

コーポレート・ガバナンス入門12 -ロシアのウクライナ侵攻と危機管理-

コーポレート・ガナバンス入門13 -B型肝炎訴訟と会社の営利性-

コーポレート・ガナバンス入門14 -稼ぐだけでは不十分?・ESG経営-

コーポレート・ガナバンス入門15 -新しい資本主義とは何なのか?-

コーポレート・ガナバンス入門16 -東芝不正会計集団訴訟判決とクローバック条項-

コーポレート・ガナバンス入門17 -Board3.0とは何なのか?-

コーポレート・ガナバンス入門18 -伊勢田道仁著『基礎講義会社法』-

コーポレート・ガナバンス入門19 -資産所得倍増プランと資本コスト-

コーポレート・ガナバンス入門20 -株主代表訴訟とは何なのか?-

コーポレート・ガナバンス入門21 -カリスマの死と経営者の責任-

コーポレート・ガナバンス入門22 -メンバーシップ型雇用とモニタリング・ボード-

コーポレート・ガバナンス入門23 -監査等委員会設置会社とは何なのか?-

コーポレート・ガバナンス入門24 -社外取締役とは何なのか?-

コーポレート・ガナバンス入門25 -上村達男著『会社法は誰のためにあるのか 人間復興の会社法理』-

コーポレート・ガナバンス入門26 -物価高騰と人的資本-

コーポレート・ガナバンス入門27 -フジテック社外取締役解任-

トップへ戻る